エノキダケイコの日常

映画、本、旅行のブログを毎日楽しそうに書いているエノキダケイコの、それ以外の日常生活やお知らせを書くブログ。どれだけ書けば気が済むんだ!?

NODA・MAP「フェイクスピア」を見てきた

友達がここ数年、宝塚にはまっていたので、ちょいちょい私も連れて行ってもらってたくらいで、自分でお芝居のチケットを取って見に行くのは久しぶり。誰かが初日の感想を「感動して大号泣」って書いてたのがSNSで流れてきて、興味がわいてきたので、まさかもうチケットなんてないだろうと思って見てみたら追加席が出てた。二階席の端っこ、パイプ椅子だけど「見切れ」もなく快適に見られました。場所は池袋の東京芸術劇場プレイハウス。

席は1つ置きかと思ったら全部入れてましたね。でも体温測定などは厳密で、チラシも置いてない。座席はたまに私みたいな追加席に空きがあるけど、ほとんどいっぱい。女性が8割以上。主役が高橋一生だからか…。

彼が主役だしタイトルが「フェイクスピア」だから、「スパイの妻」みたいに虚々実々とした魅力がいっぱいの皮肉っぽい笑える舞台かな、くらいに思ってたら、終盤に伏線のすべてが突然収束して、フェイクでもフィクションでもないノンフィクションのもつ恐ろしい力を見せつけられました。この事件をリアルに取り上げる内容だって知ってたら行かなかったかもしれない。その内容をそのまま流す番組をテレビでやったとしたら私絶対怖くて見られなかったと思うから…。それでも劇場には逃げ場がない。泣きに来たんじゃないのに…ってちょっと納得いかないところもあったけど、野田秀樹の思いは伝わってきました。美術館巡りが好きだった私が、アール・ブリュットを見るようになって名画にだんだん興味なくなってきた、というのにちょっと似てる気がする。

出演者について。白石加代子って本当に素敵。橋爪功もいい。高橋一生はきれいで女の人みたいだった。そして前田敦子はすごい!彼女の集中力と瞬発力は舞台向きですね。映画もいいけど、率直に言って、知らずに見たら「あのパワフルな劇団員の子、誰?」って思ったかもしれない。野田秀樹のスコーンと抜ける感じにも全く引けを取りません。

むき出しの生のものには何も勝てない。してやられた感じはあるけど、創作舞台としては、もう次がない、気もする。実際この先、舞台芸術ってどうなっていくんだろうね。

フェイクスピア | NODA・MAP 第24回公演