有吉京子作「SWAN」はバレエまんがの金字塔で、1970年代から週刊マーガレットで連載、いったん完結したあとに続編も何度か書かれてずっと人気を集め続けている名作です。私はマーガレット系は読んでなかったのであまりよく知らなかったけど、これがバレエ化されたということで、初めてちゃんと全巻読んでみました。正しく美しい少女まんがでありつつ、人間心理の複雑さや成長の過程で理想的ではない決断をしてしまう未熟さも、深くしっかり描かれていて、とても読み応えがありました。
ダンスは見るだけだけどジャンルを問わず一流の方々を見るのが好きで、新国立劇場にも何度かバレエを見に行ったことがあったので、この日のキャストに米沢唯さんが載っていることだけでも期待大。
今回の「Ballet cross Reading」という形の舞台はとても新しくて、メインキャストはダンサー1人(2~3人で交代する役も)とナレーター1人のペアで演じるのですが、二人とも舞台で演じるだけでなく、二人が触れ合ったり、一緒に踊る場面も多く、違和感なく溶け合っていました。同じ役を共有する二人の間の心が通い合っている感じがあたたかくて、ダンスも含めてとても美しく、ダイナミックでした。言葉が載ることで圧倒的な「わかりやすさ(バレエでは時に不足しがちな)」も達成できるんですよね。
中でも主役の聖真澄を語った井桁弘絵、京極小夜子を語った村川絵梨の二人は長年バレエをされていたそうで、どうりで動きが美しい。
聖真澄を踊った飯島望未は私は初見でしたが、圧巻のダンスだけでなく、パートナーとなるダンサーたちが誰もかれも恋をしてしまう(という設定)可憐さや感情の豊かさも伝わってきて素晴らしかったです。彼女が憧れる京極小夜子を踊ったのが米沢唯、憧れられる素敵な先輩女性だけど、常にトップでいることの恐怖や思わぬ故障で絶望してしまう瞬間、そういう重い感情の表現もとても豊で、初めて見た数年前に「妖精か?」と思った彼女の成長にまた感動してしまいました。
この劇場でかつて何度かバレエを見た記憶が焼き付いているからか、もっともっと隙間なく踊りを見たかった、という気持ちがちょっと心の隅にありましたが…逆に、これなら、宝塚や2.5次元のファンの人にもすっとなじむかも、と思ったり。
チケットを譲っていただけたおかげで、少し間が空いてしまったバレエを久しぶりに経験させていただき、マンガ読破~新しい形のバレエ鑑賞を堪能しました。ああ、生まれ変わって5歳からバレエを習いたい。。。。