エノキダケイコの日常

映画、本、旅行のブログを毎日楽しそうに書いているエノキダケイコの、それ以外の日常生活やお知らせを書くブログ。どれだけ書けば気が済むんだ!?

文学座公演「夏の夜の夢」@紀伊国屋サザンシアター 2023.7.7

日本の老舗劇団のひとつ文学座の「夏の夜の夢」を見てきました。小田島雄志翻訳、オーセンティックなシェークスピア劇です、セリフは。変わってるのは、妖精たちを村のむさくるしいおっさんたちが演じるという設定。オベロン&タイタニア夫妻の周りを、まだ舞台になっていないはずのおっさん妖精たちが取り囲む場面があったりして、ちょっと混乱したけど、楽しく濃い舞台でした。

少し前に珍しいバレエ版の「夏の夜の夢」を見たことを、このブログにも書きました。

blog.enokidakeiko.com

バレエの中でも特に可憐で可愛らしい作品だと思います。とにかく妖精たちの可愛いことといったら・・・、と感動したものですが、それをこっちでは、本物のおっさんがチュチュつけて演じます。これが不思議とちょっと可愛い。どんな人も可愛くすれば可愛いのかもしれない。(ほんとか)

妖精パックのキャラはいいかんじで強烈だし、ロバにされてしまうボトムはやっぱりおバカっぽくてなんとも愛嬌たっぷり。この二人の可愛さは性別や年齢に関係ないのだとみょうに納得しました。

バレエはもちろん歌もセリフもなく動きだけなので、”右脳で見て感じる”印象があるけど、こちらはすごく饒舌で理性をしっかり保たないとついていけません。1センテンスが長いし、倒置も多い。ただ、こっちのほうがストーリーが複雑ってわけではなく、語感や言い回しを楽しむ言葉遊びも多い。

舞台美術と音楽も特筆したくなる工夫がたくさんありました。音楽は芳垣安洋高良久美子によるパーカッションとマリンバの生演奏。ミニマルとはこのことですね。これだけで場の空気が決まるんだ。なんか雅楽みたいです。美術は、ワックスで作った小さな立体物をプロジェクションマッピングの手法で舞台上の幕に投影。元が小さなものだと思えない、複雑で壮大な世界を作り出していました。こういうのって技術の進歩で可能になった作り方だなと思います。

たくさんもらって帰ったチラシを見ていると、また舞台を見たくなって困る・・・。今年もいくつか見てしまいそうです。